虐待の癒し

なぜか急に書きたくなって、今回は虐待についてです。

ですがその前に、実はブログにはあまりセラピーのことは書かないようにしているんです。というのも、ブログの性質上、どうしても簡略して書いてしまうので、読んだ方が誤解したり、分かったつもりになってしまうのを避けるためです。

ので、今回もほんのさわりですので、そのつもりでお読みくださいませ~☆

まず、虐待というのは、たいていある一定の時期に繰り返し行われているため、カテゴリー的には「複雑性トラウマ(Complex PTSD)」となります。

ちなみに、一般的にはトラウマというと、災害や交通事故による一過性トラウマ(PTSD)のことを指しています。

ということで、虐待は基本的にトラウマとして扱うものです。

さて、私たち人間とは、「思い-感情(感覚)-体」の三位一体の存在ですよね。楽しいことを思うと、ウキウキした感じになり、体が軽くなる。ネガティブなことをイメージすると、不安が出てきて、体が緊張する・・・というように。

また、ものすごく怖かったときなど、体が震えますよね? 現代人はかなり思考型になっているので、つい忘れがちですが、「思い-感情-体」というのは、常に連動して機能しています。

では、どんなふうにトラウマができるのか?

かつては、「戦うか逃げるか(Fight or Flight)」という場面で作られるというのが定説となっていましたが、現在では、「逃げることも戦うこともできずに、フリーズしたとき(Fight, Flight, Freeze)」にトラウマになることが分かってきています。

と、ここまでまるで、トラウマに関する理論を書いているように読めるかもしれませんが、めちゃくちゃ経験とマッチします。一応、経験とマッチしない理論は採用しない主義です。

で、例えば、小さな子どもが大人から暴力を振るわれる場合、戦うことも逃げることもできないわけです。ので、大声で叫ばれながら、体を叩かれたりした場合、なんとかそこで精神的に生き残るには、感情を麻痺させて、受けているショックを自分から切り離してしまうことです。

これは、身を守るという生理的な現象であって、その人の性格が強いとか弱いとか関係なく、身体の自動的な機能です。

で、そのときはそれでなんとか精神的に壊れずに、自分を守るわけですが、問題は、フリーズされた感情やショックは、解放されない限り、体にそのまま残ってしまうことなんです。

ちなみに、欧米では「トラウマはまず体から」という認識はかなり浸透しています。なので、出来事自体は過去のことですが、体のレベルではトラウマは現在進行形で生きているんです。

そのため、出来事自体は何年も前のことなのに、フラッシュバックや不安症、動悸、不眠、抑制できない突発的な怒り、欝、生き辛さなどなどが、今、症状として出てくるんですね。

で、体のレベルでそのときのショックや感情が残っている限り、例えば「私は無力だ」とか、「私の存在は人の迷惑だ」とか、そういったビリーフもどうしても生きてしまいます。

また、ショックや感情は自分が抱えきれないほど大きかったから麻痺させたわけで、その大量のエネルギー(感情だけではなく、そのときにあった匂い、音、ビジュアル、すべて体はダウンロードしてフリーズしています)をフリーズさせ続けておくには、けっこうなエネルギーが使われます。

若いうちは、なんとかうまく抑えておくこともできるので、考え方、見方を変えることで、自分では克服したつもりになっている人にもけっこうお会いしました。

でも、残念ながら思考だけでどうにかしたつもりでも、ダウンロードされてフリーズされたものは、そのままという場合が圧倒的に多いんです。

なので、更年期になってきたりすると、抑える力がなくなり、欝っぽくなってしまったり、身体になんらかの形ででてきたり。

また、若いうちでも、やはり人生のなかに何らかの形ででてしまいます。例えば、父親に殴られていた人は、権威と映るものに対して恐れや怒りがあったり、自分を他者を信頼するのが難しかったりなどなど。

また、無意識に常に警戒・防衛体制になっている場合も非常に多いです。子供のころ、いつ親が怒り出して叩かれるか分からなかった場合などは、常に危険を察していないといけなかったため、無意識に周囲の様子や人の様子をうかがっていたり。

ただほとんどの場合、本人がそれがトラウマ(虐待)のせいだと分かっていないものです。

さて、虐待(複雑性トラウマ)の具体的な癒しの方法は、残念ながらブログには書けませんし、それこそ一人でワークするのはかな~り難しいです。

しかし、身体のレベルでのセラピーを根気よく続け、また、ビリーフなど思いのレベルでもワークしていくことで、ほんとうにひどい虐待の経験からよくなった人も多く見ています。

私自身、一過性のトラウマを身体(感情)のレベルのワークを中心に、いくつかすっかり癒すことができました。

ちなみに私の場合、身体のレベルのワークというのは、例えば、EFTやマトリックス・リインプリンティングです。個人的にはTRE(トラウマ解放のエクササイズ)もとても役に立ちました。

正直いえば、虐待の癒しはそれなりに時間がかかります。でも、地に足を着けて、長年置き去りにした自分を会いに行く、愛をまた見つけに行くジャーニーだと思えると良いかもしれません。

解放の途中には、ものすごい怒りとともに親への罵詈雑言、自分を否定するどぎつい言葉などが、わんさと出てきます。それでも、それらの声のすべてが受け入れられ、変容していったとき、認知のシフト(見方、考え方が変わる)が自然に起きるんですね。

そして、ほんとうは自分がどんなに親を愛していたかが思い出されたり、自分は常に愛とともにあったことが分かったり、それらの声で見えていなかったものが顔を出してきます。

そして、セラピーのお話上、虐待は複雑性トラウマとして見ると書きましたが、もし、あなたにその体験があったとして、あなたは「複雑性トラウマがある人」ではありません。

単なる便宜上のレッテルをアイデンティティにする必要はまったくありませんよね。あなたはあなたであって、フリーズしてしまった自分の部分を解放してあげる癒し手☆

最後にしつこいようですが、超さわり、大雑把にしか書いておりませんので、そのようにご理解くださいね。

もう少し詳しく知りたいという方、ハートレジリエンス協会では、8月27日(土)にこのテーマと重なる「愛着障害」のショートセミナーを開催します。ご都合がつけばぜひ~♪

 

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