幼い頃より親に虐待を受け、心に傷を受けたままの人がいます。そういった幼い者への痛みの経験には、必要であった意味付けなどありはしないと思いますし、裏返しても、その経験を愛ととることには当事者にとっては無理があります。いかなる救済も及ばない。届かない。いま、わたしが立つこの現状をどのように捉えて開いてゆけるでしょうか。
というコメントを頂きました。ありがとうございます!(*^_^*)
さて、直接的なお返事ではありませんが、どんなに心の傷を受けた人でも、必ず癒しに辿りつき、愛を感じられるというのが私の信念なんです。
それはもちろん、スピリチュアルや非二元を持ち出して、すべては愛だから~と言い放って頭で納得させるものでは決してありません。
すべては愛だけれども、じゃぁどうやってそこに帰還するのか? それが一番難しく、そして最も大切なところだと思うのです。
一見話は逸れますが、心が苦しいときや人生に悩んでいるときにどこに行ったら良いのか分からないという大きな問題が社会にあるかなと思います。
例えば、病院や学校、著名な心理学者やお医者様など、思いつくところはすべてあたって、それでも解決しない場合、宗教やスピリチュアル、または自己啓発や私たちのような市井の“怪しい”セラピストのもとへ行くしかないような状況です。
また本を読んでも、分析は盛りだくさんでも、実際の解決方法となるとあまり書いていなかったり。
一体誰が良いのか?どこが良いのか?または何をしたら良いのか?
文明はいろいろと発展してはきましたが、心の分野はまだまだ未開地だと思うのです。
その理由として、社会があまりに物質主義的な考えにはまってしまっていることがあるでしょう。なので、心の問題も脳の神経やホルモンのアンバランスといった、結局“体の問題”として見てしまったり。
または心理学的な「理論」や「考え方」で解決しようとする「思考至高主義」もある意味物質主義の産物だと思うのです。
そのために、目に見えないものや意識上に捉えらないもの(抑圧された感情や思い)、または私たちの本質といったものがほぼ完全にスルーされてしまいます。
ですが、私たちの本質が物質を超えたものであるなら、物質主義の中に救済を見出すことはできないですよね。なので、現代社会を見渡すとあたかも救済などないかのように見えるでしょう。
では、どうやって愛へと帰還するのか? もちろんブログの一記事で書ける内容ではありません。
でも、長い間癒しに携わってきて、以前よりもいろいろと見えてきたものがあります。
その一つとして、「恐れ」に対する見方です。以前は、恐れの感情を取り去れば、愛が見えてくると思っていました。
ところが、恐れを癒すとそれはもともと「愛」だったという体験を重ねていくうちに、本当の意味で恐れというものは存在するのか?と思うようになったのです。
例えば、虐待されているとき、幼い心なりに自分を守ろうとその瞬間心を麻痺させたり、体を縮めたり、無意識にしているものです。もちろん、怖い!という感情でいっぱいになっているはずです。
また、自分は無力だ、人は自分を痛めつけるとか、ネガティブなビリーフも出来上がってしまうでしょう。
でも、幼い心なりに自分を守ろうとする自己愛がまずあって、そしてネガティブなビリーフの下にいつも「無力な自分なんて嫌だ!ほんとうは違う」という愛である自分に戻りたい声があるんです。
そして癒しの現場では、この恐れと愛は決して分離しておらず、表裏一体で、緊張や感情がほどけていくと、そのまま自然に愛の姿に戻っていくんですね。
つまり、恐れとは愛が歪曲したもの、愛が抑圧されたもの、愛が硬直してしまったもの・・・というように愛の変形バージョンだと思うのです。
それは大海が水(愛)で満たされていて、ときには荒波(苦しみ)になったり、穏やかな波(平和)になったりするのと同じように。
とはいえ、幼いときの虐待(複雑性トラウマの記事もご参照に)は、人間が最も刷り込まれやすいときに行われているため、愛への帰還もそれなりに時間がかかり、簡単ではありません。
次回の記事でご紹介したいと思っている「オープン・アウェアネス・ダイアローグ(OAD)」では、まず今一番自分を苦しめている思いや感情を入り口にして、その人の心の状態、自我の構造を見ていきます。
今自分が生き辛いのは、子供の時に虐待されたからだ・・・・というのは、今自分が風邪を引いているのは、昨晩湯上りに薄着をしていたからだ・・・・と言っているのと同じぐらい役に立ちません。
喉が腫れているのか、熱が高いのかなど、実際に体の状態を知らないといけないように、その人の心の状態を丁寧に見ていく必要があります。
で、心の状態をしっかり見極めて、セラピーを使って緊張や抑圧、硬直した思い、乖離した感情などを受容し、変化、変容させていきます。すると、荒波も水(愛)だったと実感できるんですね。
正直言えば、これらのプロセスができるようになるには、それなりの努力と時間がかかります。まして傷ついている当人が自分でどうにかするのは、かなり無理があるでしょう。
でも、お伝えしたいのは冒頭に書きましたように、すべての人が愛へと帰還できるということなんです。
ということで、社会そのものが本質を思い出し始めるといいなぁと心から思うのです♪
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