シンプルライフへのススメ① 人の話は聞かなくて良い

写真:山村琴美

写真:山村琴美

あっという間に月日が経ちますね。先週は、石巻市、気仙沼市、仙台市とハートサークルのプロジェクトで廻っておりました。毎回、EFTとマトリックス・リインプリンティングの威力に驚かされます。

ハートサークルでは、当初支援者のための心のケアを目的にしていました。というのも、支援者も被災者ですので、被災者が被災者をケアするというのは、ストレスがあまりに激しいからです。ただ、EFT自体が知られていないこともあり、結局興味がある人は誰でもOKとなり、それはそれでよかったと思っています。

支援側に回る人のストレスが高い理由は、皆さんも想像に難くないと思いますが、その一つに被災者の訴えを聞かなければいけないということがあります。これは非常に疲れることですね。訴えの内容だけでなく、人はそこに自分の思いや感情を込めるものです。疲れるのは、その思いや感情に同調してしまったり、感情移入してしまったり、引き込まれてしまうからです。

私たちは、一般に“人の話はきちんと聞くこと”といつの間にか教え込まれています。ですので、まじめな人ほど真剣に他人の話に耳を傾けてしまい、どっと疲れてしまう。疲れるだけではなく、自分の中にある感情も刺激され、自分も辛くなってしまうということも多いでしょう。

かなり前にイギリスでリトリートをしていたとき、会場の食堂でイギリス人の男性と隣り合わせになりました。少し話をしていると彼は、“僕は、臨床心理士からの回復途中なんだ”と言うのです。ん?と思って事情を聴くと、他人の悩みや苦しみを何年もカウンセリングをし、話を聞いているうちに、自分も心が病んでしまい、今は仕事を辞めて自分の心の回復途中という意味だったのです。そのとき、あぁ、クライアントさんの話を普通に聞いてしまっていたのだろうなぁと思いました。

ちなみにロンドンのカウンセリングコースでは、感情移入せずにきちんと聞く方法、またどうして感情移入をしないで聞いたほうが良いかなどなど、聞き方のコツをきちんとやります。ですのでそれを実践してくれていれば、セッション後の普通の疲れはありますが、疲弊するとか、自分も辛くなるということはないのです。(ので、お話は全身で聞いています。)

こういったクライアントや被災者の方々の話に限らず、一般的に人の話を真剣に聞きすぎるととても疲れるものです。

話の内容が自分の興味あることであれば、もちろん疲れませんが、そうでない話もたくさんありますね。一般的にどちらかというと大切な話よりも、どうでも良い話のほうが多いでしょう。なので、自分にとって興味がない話、聞いていて辛くなる話、つまらない話も山ほどあるはずです。もちろん被災地では、自分も辛くなる話を聞かされる度合いがぐんと高まります。

ですので、私は大胆に提案したいと思うのです。それは、

“基本は、人の話は聞かなくてよい”

です。

誰か反論する人が出てくると思ったのですが、被災地でも参加者全員の方が大きく頷いてくれました。

とはいえきっと、えっ、そんなひどい!と思う人もいるはずです。私は一生懸命話をしているのに、聞いてくれないなんて!と。

でも、ちょっと振り返ってみませんか? 人の話をきちんと聞いているかもしれませんが、心では“早くこの話終わりにならないかな”、“この人なんでこんなこと思っているのだろう”、“そんな風に考えるからダメなのに”とか、相手の話にコメントをたくさん持っているときがとても多いはずなのです。

それは、一見きちんと聞いてあげているかもしれませんが、親切な行為なのかといえば、そうでもないですね。または、話は聞いているけど、心を完全に閉ざしていたら、そこにコミュニケーションがあったとは言い難いですね。

それよりは、自分が疲れない程度に話を聞き、相手の話ではなく、自分の状態に同調していたほうが、心と体、雰囲気が一致した無理のない自然で穏やかな空間が生まれますね。そこには話を真剣に聞いていなくても、言葉が否定されない優しさがあるはずです。

そして“雰囲気”という言葉よりももっとパワフルなコミュニケーションツールが、お互いを結び付けてくれるでしょう。

一応念のため、会議とか打ち合わせとか、そういった話もぜんぶ聞かなくてもOKと言っているのではありません。(聞かなくても良い会議もたまにありますが)

本当の自分(真我)に寄り添っていると、人の話とか、人間関係とか、人生とか、ほんとうにすべて現れては消えていくものであって、そこにそんなに真剣にしがみつく理由が見えなくなります。完璧な人間関係などそもそも存在しませんが、たとえ作ったとしても消えてしまうものなのです。

だからはかないね、意味がないねという話でもありません。さまざまな現象が現れること、いろいろな言葉、いろいろな思い、いろいろな感情、そしていろいろな人、人の癖、いろいろな服装、いろいろななんでも・・・・が常に現れでることは、まさに驚異的なことです。

そうやって生命の流れ全体を見れば、その流れを構成する一つ一つの動き、人というのも、そして言葉や思いや感情といったものもすべて素晴らしいものです。とはいえ、その一つ一つを真剣にとらえ、しがみつく必要はまったくないんですね。現れ出たものは必ず消える・・・、それはつまり実体がないということです。

それが見えると、人の話はきちんと聞かなければとか、人間関係は良好に保つべきだとか、相手を怒らせないように、悲しませないように、傷つけないようにしなければ・・・・という一見優しいかもしれないけど、緊張した思いが自然とリラックスしてきます。

また、きちんと話を聞いてくれる良い人と思われたい、ちゃんとした人間だと思われたいといった自己イメージの防衛度も下がってきます。

それよりも、自分が自然体でいられる空間を自分の中に増やしていくことに気が向いていきますね。そして、結果的に周囲もその方が楽なはずです。自然体でいる人のそばにいるときって自分も楽ですよね?

もし、話を聞いていなくて振ってこられたら、“あっ、ごめんなさい。もう一度話してもらえる?”と聞けば良いだけですね。また、相手が話を聞いていなかったら、“人の話聞いていないでしょう。ちゃんと聞いてよ”と気軽に言い、その人が“あっ、ごめ~ん。”と微笑む・・・・、ただそれだけの話です。

ただ、“人の話はきちんと聞くべき”といった「べきべきマン」や、“私を理解して~、私の話を受け止めて~”という「私の心を埋めてちゃん」が自分の中にいると、こういったシンプルなやりとりは難しいかもしれません。腹が立ったり、悲しくなったり。

そういう意味で、楽でシンプルな生活を目指すなら、思い込みを外したり、心の傷をいやすことも役に立ちますね♪

今週末は、いよいよインテグレイテッド心理学基礎講座です!今年は有難いことに申し込みがとても早く、大勢の方がキャンセル待ちとなってしまいました。本当に心苦しい限りですが、これに懲りず来年ぜひ参加して頂ければと思います。

それでは、皆様にお会いできるのを心より楽しみにしております♪

 

 

 

シンプルライフへのススメ① 人の話は聞かなくて良い」への11件のフィードバック

  1. 私の理解が浅いのかもしれませんが、お金を取らない一般人同士の会話ならともかく、有料のカウンセラーがよく話を聞いていなくて“あっ、ごめんなさい。もう一度話してもらえる?”とか言っていたら「どうなんだろう…」と思ってしまいます。いくら自然体と言われても、納得できないかもしれません。
    カウンセリングもこの記事の中の会議や打ち合わせと同じ分類なのでしょうか。
    カウンセリングに行くような人は“私を理解して~、私の話を受け止めて~”と思っているからわざわざ足を運ぶのではないかと思うのです(それだけではないにしろ、そういう側面はあると思います)。
    いかがでしょうか。

    • はい、これはもちろん一般の会話のお話です。カウンセラーが話を聞かないというのは、ちょっとあり得ないです。(笑) たぶん、誰よりも、どんな場よりも話を聞いていると思います。カウンセリングでのリスニングスキルは、まったく違うものです。

      カウンセリング中は、相手の話だけではなく、自分の思考と体の状態にも注意を向けます。それによって自分の思い込みでセッションが進まないようにするのですね。そして、感情移入しながら聞くのではなく、その方の言葉のくせ、表情と言葉は一致しているか、どの言葉を話しているときに最も感情が出ているかなどなど、普段の会話とはまったく違うところに注目しながらお話を聞きます。

      微妙な一瞬の表情、口ごもり、などにもいろいろな情報がありますので、全身で聞いて(見て)います。ただ、そうではなく、単に話を普通に聞いてしまっているカウンセラーも多く、そうするととても疲れてしまうのですね。専門的なことなので、はしよってしまい、説明足らずで失礼しました。

      コンピューターの前にいましたので、速攻で誤解が解消でき(たぶん)て、良かったです。カウンセラーやセラピストがセッション中に話を聞いていないと思われてしまったら大変ですから。(笑)

      • お返事をありがとうございます。
        但し書きがなかったので、もしかしたらカウンセリングも含めた会話というもの全体への提言なのかな…と思い、質問させて頂きました。
        お答え頂きありがとうございました。

        • おかげさまですごい良い気付きがありました。
          ありがとうございます。
          あゆかさんが書いてくれたカウンセリングでのリスニングスキルは、実際人と話をするとき、少しだけでも意識してみようかと思います。
          うまく出来ない可能性が高いですが^^

          • コメントをありがとうございます! カウンセリングのリスニングスキルは、疲れないといっても、普段もやっているとかなり疲れます。オンとオフを上手に使い、私はリラックスするときは、記事に書きましたように適当に聞く程度のオフ状態でいます。面白い話は、自然に聞き入りますし、とにかく頑張らず、ナチュラルに・・・・ですね♪

  2. あゆかさん、こんにちは。

    >“雰囲気”という言葉よりももっとパワフルなコミュニケーションツール

    ほんと、これほどパワフルなツールはないですね。
    心を開くのが苦手でも、自然体の人の前では安心して自分を開くことができます。
    その時は、話を聴いてもらう貰わないはもうどうでもよくなっちゃいます。(笑)
    だって、心地よいですから。
    私もそんな人でありたいと思います。

  3. こんにちは。今回の記事を読んでいて、ず〜っと悩んでいる頑固さと執着について教えてください。
    自分は、元々頑固でなかなか融通の利かないところがあるようです。だから、例えば離れて行った場合、「彼は離れた」と矛盾する言動〔再び、会おうと彼が言い出す等〕があると、不思議に感じたり、何か考えているのかと疑いの気持ちが生まれます。
    そして、もう1つ悩んでいるのが、矛盾する複数の思考が頭をグルグルまわって、眠れないくらい苦しむことがあります。これは、思考に執着しているのだと思います。ちょっぴりパラノイアなんじゃないかと心配する時もあります。この執着は、何故は恋愛にだけ極端に生まれます。
    こういう自分の生きづらさを、どうやって癒していってああげたら良いのでしょうか。
    是非、教えていただけたらと思います。

  4. あゆかさん こんにちは 
    人に奉仕するときも、自分を犠牲にしないで守りつつであることの大切さを、感じました。
    そこで、質問です。エゴを手放して、偏見や特定の先入観をもたずに現実をありのままに認識できる状態で、なおかつ「自分らしく人生を生きる」とはどのような状態なのでしょうか。
    自分らしく生きること=エゴ?と、「自分らしく」がエゴ?とまだ感じられてしまう状態です。
    ひとつ前の記事への投稿で書かせていただいたのですが、ただ今、「現実逃避」中で、何もしたくないー!と日常や「今」から逃げているような状態です。いや「今」からは逃げられないから、堂々巡りしながら出口を求めて生きている「今」な状態というほうがよいかもしれません。なんとかこの逡巡を乗り越えるべく取り組んでいます。
    あゆかさんのこれまでの投稿で参照したらよいものなど、お勧めがありましたら、ぜひご紹介ください。
    今日は、久しぶりに御著書の「・・・願いをかなえる方法」を読み直してみようと思っています。

  5. 追記です。ばらばらとすみません。
    エゴとワンネス。「個」と「連帯/全体主義/同調圧力による一体化」。
    よく似ているようですが、前者には共感できるのですが、後者には抵抗があります。
    どのように理解したらよいでしょうか。
    あゆかさんのご見解うかがえたら嬉しいです。

  6. あゆかさん、こんにちは♪
    苦しい気持ちで、あゆかさんのブログを開くといつもヒントが得られます。

    人を怒らせないように、悲しませないように、傷つけないように・・あとは、楽しませるようになど、私にもすごくありますが、本当に緊張していますね・・。

    新年度が始まり、新しく知り合った人達との距離の取り方を今、難しく感じています。

    私は誰かと最初親しくなっても、誰か特定の人とべったり・・というよりは、帰りたまたま一緒になった人と帰ってみたり、その時々のタイミング次第で自由にしていたいのです。
    ですが、最初親しくなりぴったりくっついて来ていた人は、私が自由にしていると、今度はかなりあからさまにさけるようになってしまいました。
    普通に話している分には楽しくいられる人だったので残念ですし、何かこれで良かったんだろうか・・?という気もしています。
    頭では、現象としては”様々な個性の人”が居て、「全ての人と考え方や気が合う」などあり得ないとは分かっていますが、ショックな事があるとついその場で顔や態度に出てしまいがちで、それが少し情けないです。おかしな話ですが、自分自身もさほど好きで無い人から嫌われるのも結構ショックなのです。「自分は価値が無い」という様な思いが刺激されている感じです。

    真剣にしがみついてますね・・(苦笑)真我に寄り添うように、内側を感じてみます。

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